「ahamo」のフルファネルコミュニケーションにおける TikTok活用

7月 08, 2026
「ahamo」のフルファネルコミュニケーションにおける TikTok活用

「ahamo」を提供するNTTドコモでは、認知から比較・検討、獲得までをつなぐフルファネル施策を実施しました。TikTokを施策の一部として活用し、各ファネルに応じたコミュニケーションを展開。さらに、TikTok for Businessの専門チームやソリューションによる分析を通じて、施策全体の効果検証まで行いました。


今回は、株式会社NTTドコモの青野氏を迎え、TikTok for Business Japanの小山とともに、複数部門の連携によるフルファネル施策を推進した背景や、ユーザーインサイトを起点とした施策設計、分析を通じて得られた成果や今後の展望について伺いました。



「ahamo」のフルファネルコミュニケーションにおける TikTok活用



TikTokをフルファネル目的で活用


🔴TikTok for Business 小山(以下、小山):今回の取り組みは、認知から獲得までを見据えながら実施されたと思うのですが、まず、どのような課題意識からスタートしたのでしょうか?



🔵株式会社NTTドコモ 青野氏(以下、青野):コミュニケーション施策において、ユーザーが商品やサービスを認知し、比較・検討を経て契約に至るまでの一連の流れを意識することは、重要なテーマの一つでした。

ただ、実際には認知施策と獲得施策をそれぞれ実施することはあっても、今回のように認知から獲得までを見据えて施策全体を設計する取り組みは、当社としても前例の少ない取り組みでした。



🔴小山:今回、TikTokを活用しようと考えた背景にはどんなことがありましたか?



🔵青野:私は認知領域のメディアプランニングを担当しているため、常にフラットな視点で広告メディアやプラットフォームの選定を行っています。その上で、ahamoのメインターゲットである20〜30代との親和性を考えた際、TikTokは国内月間アクティブユーザー数(MAU)4,950万人(※1)を有しており、利用者の規模や接触時間の観点から非常に相性が良いプラットフォームだと判断しました。

さらに、TopViewをはじめとする複数のソリューションを活用することで、認知から比較・検討、獲得まで、それぞれのファネルに応じたアプローチができる点も魅力でした。加えて、施策全体を効果検証まで行える点にも魅力を感じ、TikTokを今回の施策の中心に据えようと考えました。


※1:2026年5月末時点。TikTok調べ。ユーザー数はTikTokとTikTok Liteの合計(重複を除く)



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青野 楓大 氏

株式会社NTTドコモ ブランドコミュニケーション部 メディアプランナー

入社以来、認知領域のプロモーションにおけるメディアプランニングを担当。現在は料金プラン「ahamo」のメディアプランニングに従事。




認知から比較・検討、獲得までをつなぐ施策設計


🔴小山:今回は、どのような考え方で各ファネルの施策を設計されたのでしょうか?



🔵青野:今回の施策では、それぞれのファネルに応じて、最適な素材とソリューションを組み合わせました。

まずアッパーファネルでは、「TopView」と「AR Game」を活用しました。TopViewでは、タレントが出演するCM素材に加え、クリエイターがAR Gameを体験する動画を配信し、幅広いリーチ獲得を図りました。さらに、実際にユーザーが体験できる施策として、ahamoの文字をキャッチするAR Gameを展開し、ユーザーとのインタラクティブな接点を創出しました。

ミドルファネルでは、サービス内容への理解や興味関心を高めることを目的に、「Brand Consideration」を活用し、クリエイターにahamoの特徴やベネフィットを紹介してもらうコンテンツを配信しました。

そしてローワーファネルでは、多様なクリエイターや訴求軸を活用しながら、コンバージョン目的の広告配信を実施しました。

各ファネルの役割に応じて最適な施策を組み合わせて展開したことが、今回の特徴です。


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「シンプルワンプラン」を軸に、一貫性のあるコミュニケーションを設計


🔴小山:TopViewによる認知拡大や、クリエイターコンテンツによる理解促進、さらに獲得施策まで、それぞれ異なる役割を持つ施策を展開されました。今回、全体を通じてどのような連携や工夫をされましたか?



🔵青野:認知を獲得するだけでなく、サービスへの理解や興味関心を深めてもらうことを重視しました。生活者との接点を増やしながら、ahamoを自分に関係のある料金プランとして捉えてもらうことを意識して設計しています。

一方で、素材や施策が増えるほどメッセージが分散してしまう懸念もありましたので、「シンプルワンプラン」という訴求を軸に据え、すべての施策で共通して伝えるようにしました。



🔴小山:今回の施策で特徴的だったのは、ファネルごとに最適なクリエイティブを使い分けた点です。

TikTokというとクリエイターコンテンツのイメージを持たれることもありますが、必ずしもすべてをクリエイター動画にする必要はありません。

認知拡大を目的とするアッパーファネルでは、有名タレントを起用したCM素材をTopViewで活用し、一方で理解や検討を促すミドルファネルでは、クリエイターコンテンツを活用しました。

重要なのは、クリエイターコンテンツかブランド素材かではなく、それぞれの役割に応じて最適なクリエイティブを選択することです。今回の施策は、その好例だったと考えています。


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クリエイターコンテンツ例




体験を通じて自然な接点を創出したAR Game


🔴小山:今回は、TikTokならではの“参加したくなる体験”として、AR Gameという体験型施策も取り入れました。どのような狙いがありましたか?



🔵青野:お客様がより受入れやすいと感じていただける広告の必要性を感じていました。そこで、ahamoを広告感のない形で自然に体験してもらう施策として、AR Gameの提案をいただきました。

AR Gameであれば、一方的に情報を届けるのではなく、体験を通じて自然にブランドとの接点を持ってもらえると考えました。

制作にあたって特に意識したのは、「ゲームとして成立していること」と「ahamoらしさが伝わること」の両立です。ahamoの文字をキャッチするシンプルなゲームですが、難易度を調整し、プレイし甲斐のある設計にしました。

一方で、ゲームを楽しみながら自然にahamoという名前を覚えてもらうために、エンドカードでは「シンプルワンプラン」という特徴をしっかり伝えました。




ユーザーとクリエイターを交えたワークショップで共通認識を形成


🔴小山:今回の施策では、NTTドコモ様に、ターゲットである20代ユーザーへの理解を深めていただくことが重要だと考えました。広告主の皆様は、日々さまざまな調査結果や提案をご覧になっていますが、ユーザーの声に直接触れる機会は意外と多くありません。

そこで、20代ユーザーを招いたワークショップを実施し、「普段どのような価値観で生活し、携帯料金プランに対してどのようなニーズや不満を持っているのか」を直接聞くことができる場を設けました。

また、施策全体の方向性やメッセージに一貫性を持たせるため、クリエイターにも参加してもらい、ユーザーの声をどのようにコンテンツに落とし込むかを議論しました。クリエイターには、ユーザーインサイトをコンテンツへ落とし込む“翻訳者”のような役割を担っていただきました。



🔵青野:ワークショップには私の部署だけでなく、複数の関連部署のメンバーにも参加してもらいました。実施して特に良かったと感じているのは、部署間で温度感を共有できたことです。

今回のような新しい取り組みでは、フルファネル施策やAR、クリエイター施策などを関係者全員が同じ解像度で理解し、同じ方向に進むことが重要です。その点、クリエイターや実際のユーザーを交えながら対面で議論できたことで、施策への理解や期待感を共有できました。



🔴小山:実際にユーザーやクリエイターと対話する中で、どのような発見や収穫がありましたか?



🔵青野:ワークショップでは、20代ユーザーから直接話を聞くことで、TikTokやSNSの利用実態や彼らの価値観への理解を深めることができました。

特に、学生ならではの携帯料金プランの選び方など、実際のユーザーの声を聞けたことは大きな収穫でした。

さらに、その場でクリエイターと議論しながら「どう表現すれば伝わるか」を考えられたことも、施策設計に活かせたと感じています。




成果を生んだ、認知施策と獲得施策の相互作用


🔵青野:今回の取り組みでは、ブランド認知が2%向上したほか、LPの30秒以上滞在率が63%向上しました。また、「TikTok Market Scope(TTMS)」による分析では、検討層への移行人数が約103万人増加し、増加幅は532%となりました。

さらに、認知から獲得までを横断した効果検証まで行った結果、認知広告とパフォーマンス広告の両方に接触したユーザーの方がコンバージョンしやすく、認知施策と獲得施策が相互に作用しながら成果につながっていることを確認できました。具体的には、獲得広告のみに接触したユーザーと比較してCTRが37%、CVRが9%向上する結果となりました。


これまでは、認知施策であれば認知度の向上、獲得施策であればCPAやコンバージョン数といった形で、それぞれを個別に評価することが一般的でした。しかし今回は、認知から比較・検討、そして獲得までの流れを一連で捉え、「ahamoを知り、理解を深め、契約する」というユーザー行動を可視化できたことが大きな成果だったと感じています。



🔴小山:従来のブランド施策では、ブランドリフト調査(BLS)によって認知度や好意度の変化を確認することが一般的でした。ただ、それだけでは事業成果とのつながりまでは見えません。

一方で、獲得施策だけを見ると、ブランド広告の価値は過小評価されてしまいがちです。そこで今回は、認知から比較・検討、獲得までを横断して分析することで、ブランド広告がどのように成果へ寄与しているのかを可視化しました。

単純なコンバージョン数だけではなく、その手前の検討行動まで分析できたことで、ブランド施策が果たしている役割をより深く理解できたと考えています。




TTMSで「検討層」の変化を定量的に可視化


🔵青野:個人的に最も興味深かったのは、TTMSによって検討層の変化を可視化できたことです。

検討層とは、これまでアンケートなどでしか把握できない、いわばユーザーの頭の中の状態でした。しかし今回は、どれだけのユーザーが検討層へ移行したのかを定量的に把握することができました。

さらに、クリエイティブごとに検討層への移行人数も確認できるため、「どのようなコンテンツが理解や検討につながったのか」を可視化できた点も非常に新鮮でした。これまでにはない形でユーザー行動を捉えられたと感じています。



🔴小山:マーケティングにおいて「検討」は重要だと言われますが、実際にどのように定量化するかは長年の課題でした。

TTMSでは、統計的な分析を通じて検討層を定義し、その変化を継続的に計測できます。重要なのは、その数値を単に確認することではなく、「どうすれば検討層をさらに増やせるのか」という改善につなげられることです。

今回も、検討層の変化を可視化できたことで、認知から比較・検討、獲得までのプロセスをより具体的に議論できるようになったと考えています。


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小山 潤也

TikTok for Business Japan, Global Business Solutions, Client Partner




Who × Whatの最適化で、より精度の高いコミュニケーションへ


🔴小山:今後は、認知から比較・検討、獲得までをつなぐコミュニケーションを、どのように進化させていきたいと考えていますか?



🔵青野:今回の取り組みを通じて、「どのユーザーに、どのような訴求を行うと、どの程度の効果が得られるのか」というWho × Whatの解像度が大きく高まりました。

特に、TTMSによって検討層の変化や、クリエイティブごとの効果を可視化できるようになったことは大きな進歩だと感じています。これまでは見えなかったユーザーの状態や行動の変化が把握できるようになり、より精度の高いコミュニケーション設計が可能になりました。

今後は、ユーザーがどのファネルにいるのか、どの訴求が不足しているのかを継続的に把握し、部門間でも課題意識を共有しながら、これまで以上に顧客起点のコミュニケーションを実現していきたいと考えています。



🔴小山:Who × Whatは一度設計して終わりではなく、分析を重ねながら継続的に磨いていくものなんですよね。

ahamoには複数の訴求軸がありますが、「どのユーザーにどの訴求を届けると、最も比較・検討につながるのか」は、まだ検証の余地があります。今後もTTMSなどを活用した分析を通じて、より精度の高いコミュニケーション設計に貢献していきたいです。

TikTok for Businessの強みは、プラットフォーム活用からクリエイティブ、分析を一気通貫で支援できることです。

私たちは今後も、企業の皆様とともに、より成果につながるマーケティング活動の実現を支援していきます。