オーセンティシティの「サイエンス」── 認知と購買をつなぐ“検討”をどう成果につなげるか

5月 22, 2026

「TikTokクリエイター白書 2026」解説②

オーセンティシティの「サイエンス」── 認知と購買をつなぐ“検討”をどう成果につなげるか

TikTok for Businessが公開した「TikTokクリエイター白書 2026」では、クリエイターが生み出す商業的価値に関する調査をもとに、“オーセンティシティ(信じられるリアルさ)”を起点とした、新たなマーケティングのあり方が提示されています。


本シリーズでは、「TikTokクリエイター白書 2026」を全3回にわたり、①オーセンティシティの「アート」、②オーセンティシティの「サイエンス」、③「アート」と「サイエンス」の掛け合わせが生むクリエイティビティ、という3つの視点から読み解いていきます。


前回の「アート」編では、「リアル」が生活者の共感を生み、クリエイターコンテンツの効果につながる理由について整理しました。では、その共感は、どのように可視化され、成果として捉えることができるのでしょうか。

本記事では、オーセンティシティの「サイエンス」に焦点を当て、見えにくい“検討フェーズ”をどのように捉え、データとして読み解きながら、成果へとつなげる仕組みを解説します。


オーセンティシティの「サイエンス」── 認知と購買をつなぐ“検討”をどう成果につなげるか



なぜ「検討フェーズ」が重要なのか


マーケティングにおいて、「認知」や「購買」といった行動は比較的把握しやすい一方で、「検討」のプロセスは可視化が難しい領域とされてきました。

生活者は、商品やサービスに関心を持ったあと、すぐに購入に至るわけではありません。

複数の情報を比較し、他者の意見を参照しながら、何を信じるべきかを判断しています。

しかし、この過程は、従来の指標では十分に把握できていませんでした。

広告のクリックや購買といった明確なアクションだけでは、その手前にある比較・検索といった検討フェーズでの行動を十分に捉えきれないためです。また、関心が薄れたり、競合に比較されたりすることで、多くのブランドが勢いを失うのも、この検討フェーズです。

そして今、この「検討」をどのように捉えるかが、マーケティングにおける重要なテーマとなっています。

実際にTikTokの調査では、この検討フェーズにあるユーザーが総流通取引額(GMV)の46%を生み出し、認知フェーズのユーザーと比較して最大で14倍のコンバージョンを記録していることが分かっています(※1)。


※1:TikTok Market Scope分析(2025年2〜3月 / 東南アジア地域)


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「検討」は行動として現れている


一見すると捉えにくい「検討」のプロセスも、実際にはさまざまな行動として現れています。

検討フェーズにおいて重要な役割を果たすのが、オーセンティシティのあるクリエイターコンテンツです。

コンテンツがリアルに感じられると、人々はより深く引き込まれ、長時間の視聴や保存、フォローといった行動へとつながります。さらに、その後の検索や商品詳細の確認など、次の段階のアクションへ進みやすくなります。

こうした一つひとつの行動は、生活者の関心の高まりや購買意向を示す追跡可能なシグナルとして捉えることができます。

オーセンティックなクリエイターコンテンツは、従来のブランド広告と比較して、6秒以上の視聴(ビュースルー)率が2倍、エンゲージメント率が1.6倍高く(※2)、新たに検討を始めるユーザーを約1.2倍多く生み出すことが示されています(※3)。

これらの行動は、必ずしも購買に直結するものではありません。

しかし、それぞれが生活者の関心や購買意向の高まりを示す、追跡可能なシグナルとして機能しています。

つまり、「検討」とは目に見えないものではなく、複数のシグナルとして断片的に現れている状態とも言えます。

これらのシグナルを統合的に捉えることで、これまで見えにくかった「検討」のプロセスを可視化することが可能になります。


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※2:TikTok APAC Creative Experts Center analysis(2024年~2025年)

※3:TikTok APAC Creative Revenue Reporting analysis(2025年)




検討シグナルを統合すると何が見えるのか


個々の行動は、それ単体では断片的な情報に過ぎません。しかし、エンゲージメント、検索、商品詳細の確認といった複数のシグナルを統合して捉えることで、「本当に購買を検討しているユーザー」が誰なのかを、より明確に把握できるようになります。

例えば、動画を視聴した後に検索を行い、さらにプロフィールや商品詳細ページを訪問している場合、そのユーザーは単なる興味関心を超えて、具体的な検討フェーズへ進んでいると考えられます。

このように、シグナルを個別に見るのではなく、複数の行動をつなげて捉えることで、オーディエンスの関心度や購買意欲をより立体的に理解することが可能になります。

また、分析技術の進化によって、こうした断片的なシグナルを統合しながら、カスタマージャーニー全体を横断的に分析できるようになっています。




「検討」はフルファネルで捉える


シグナルを統合することで見えてくるのは、単なる個別の行動ではなく、認知から検討、購買へと至る一連のカスタマージャーニーです。

生活者の意思決定は、認知・検討・購買といった段階が分断されて進むものではなく、複数の接点を通じて連続的に形成されていきます。そのため、「検討」だけを切り出して分析するのではなく、認知から購買までを一体として捉えることが重要になります。

フルファネルでシグナルを捉えることで、どの接点が関心を高め、どの行動が次のアクションにつながっているのかを、より高い精度で把握できるようになります。

こうしたデータをもとに、購買意欲の高いオーディエンスを特定し、適切なコンテンツやメッセージを届けることで、オーセンティシティによって生まれた共感を、実際の成果へとつなげることが可能になります。




オーセンティシティの「サイエンス」を支えるソリューション


ブランドがパフォーマンスを正しく理解するためには、「検討」フェーズでのシグナルをカスタマージャーニー全体で統合的に捉える視点が重要になります。

TikTokでは、そのためのソリューションとして、TikTok Market Scope(TTMS)を提供しています。

TTMSは、動画視聴やエンゲージメント、検索、サイト訪問などの複数のシグナルを統合し、購買を検討しているオーディエンスを可視化する仕組みです。

これにより、検討フェーズの動きを可視化しながら、認知から購買に至るまでのカスタマージャーニー全体を横断的に分析できるようになります。

さらに、こうしたデータをもとに配信やクリエイティブを最適化することで、オーディエンスごとに適切なコンテンツやメッセージを届けることが可能になります。




日本市場における活用事例


「マキアージュ」では、ブランドの若年層との接点強化を目的に、リブランディングに合わせたフルファネルキャンペーンを展開しました。

その中で、TikTok Market Scope(TTMS)を活用し、従来捉えにくかった検討フェーズにおけるユーザー行動を可視化。さらに、広告ソリューション「Brand Consideration」を活用し、いいねやシェア、ブランド名検索など複数のシグナルをもとに、購入検討段階へ移行する可能性が高いユーザーへ向けて広告配信を行いました。

その結果、ブランド公式コンテンツとクリエイターコンテンツを組み合わせた場合、ブランドコンテンツ単体と比較して、検討オーディエンスが64%速いペースで拡大したことが確認されました。

また、美容系クリエイターとダンス系クリエイターの効果比較も実施され、美容系クリエイターはビュースルーで高い成果を示した一方、ダンス系クリエイターは認知後に検討フェーズへ移行する割合が21%高いことが分かりました。

このように、検討シグナルを可視化しながら、クリエイターコンテンツを戦略的に活用することで、認知から検討への移行を、より効果的に促進できることが分かります。


参考記事:ブランド認知は7.6ポイント上昇 「マキアージュ」のリブランディング、TikTok中心戦略で若年層獲得に成功

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オーセンティシティは、感覚的なクリエイティビティだけに頼るものではなく、データを通じてその影響力を理解し、最適化していくことが可能になります。


次回は、「アート」と「サイエンス」を掛け合わせることで、オーセンティシティを保ちながらコンテンツをスケールしていく、新たなコンテンツ設計のあり方について解説します。