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グローバル実績を強みに日本市場へ挑む、AnyMindのTikTok Shop活用支援

7月 01, 2025
グローバル実績を強みに日本市場へ挑む、AnyMindのTikTok Shop活用支援

2025年6月30日、TikTok Shopが日本市場にローンチされました。

TikTok Shopは、“ディスカバリー Eコマース”という新たな購買体験を生み出すプラットフォームとして、多くの広告主や広告代理店の関心を集めています。


今回は、東南アジアを中心にすでにローンチ済みの地域において豊富なTikTok Shopの運用実績を持ち、日本市場でも先駆的に取り組みを進めるAnyMind Japan株式会社 代表取締役の藤田氏にインタビュー。

グローバルでの成功事例をもとに、日本市場におけるTikTok Shopを活用したビジネス成長の支援、ディスカバリーEコマースが切り拓く新たな市場の可能性について、TikTok for Business Japan 髙倉と語り合っていただきました。


グローバル実績を強みに日本市場へ挑む、AnyMindのTikTok Shop活用支援



マーケティングとECを一気通貫で支援し、グローバルでTikTok Shopの企業による活用をリード


🔵TikTok for Business Japan 髙倉(以下、髙倉):まずは、AnyMindさんの事業全体の特徴や強みについてお話しいただけますか。



🔴AnyMind Japan株式会社 藤田氏(以下、藤田):AnyMindは、シンガポールでの創業以来、アジア15の国と地域に拠点を広げ、マーケティングやEC領域の支援を展開しています。自社開発のデジタルソリューションを軸に、ブランド企業向けには、インフルエンサーマーケティングやデジタル広告支援、EC・D2C企業向けには、販売データやマーケティング情報を一元管理し、売上成長を支援するプラットフォームを提供しています。

これらのソリューションに、各国拠点のノウハウやデータ活用の知見を掛け合わせ、アジア全域で企業のビジネス成長を支援している点が、私たちの強みです。


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AnyMind Japan株式会社 代表取締役 藤田翔大 氏

AnyMind Japanの代表取締役として、日本におけるマーケティング・EC事業の統括やM&A推進、グループ会社の統括を担当。グローバルではAnyMind GroupのMDマネジメントディレクターとして、韓国や東南アジアをはじめとする地域の事業立ち上げ・成長をリードしている。




🔵髙倉:AnyMindさんはこれまで多くの国・地域でTikTokを活用した事業を展開されていますが、TikTok Shopの運用事例を通じてどのような強みを発揮されているのかをお聞かせいただけますか。



🔴藤田:当社はもともと東南アジアを中心に、TikTok Shopの立ち上がりが早かったフィリピン、マレーシア、インドネシアなどで多くの企業の支援を行ってきました。フィリピン、マレーシア、インドネシアでは「TikTok Shop Partner」、タイでは「TikTok Shop Prime Partner」に認定されています。

私たちの最大の強みは、マーケティング領域とEC領域を社内の専門チームにより一気通貫で支援できる点です。TikTok Shopの活用においては、マーケティング視点での運用とコマースの運営の両立が重要ですが、その両方を社内で完結できる会社は多くありません。この点は、AnyMindの優位性だと考えています。

さらに、各国の現場で得たノウハウやデータを蓄積し、国を超えて共有・活用できることも特長です。例えば、「タイではこうしたLIVE配信が好まれた」「インドネシアではこの時間帯の配信が効果的だった」といった知見を、他地域の施策にも活かしています。

こうした東南アジアでの経験は、日本市場でも十分応用できると考えていますし、国や地域ごとの違いを理解した上で最適な提案ができるのも、グローバル展開している当社ならではの強みだと思います。




グローバルでの成功事例に見る、AnyMindのTikTok Shop活用戦略


🔵髙倉:グローバルでの取り組みを踏まえ、TikTok Shopの運用を成功させる上でどのようなことが重要だとお考えですか。



🔴藤田:特にアジアでは、TikTok ShopのGMVが非常に大きく伸びており、各社の取り組みもますます活発化している印象です。その中で重要なのは、動画コンテンツをいかに効率的に大量に生み出せるか、LIVE配信でどれだけ流入を増やせるかの2軸だと考えています。

当社は東南アジアでも広範なクリエイターネットワークを保有しており、TikTok上で影響力のあるクリエイターとのコラボレーションを積極的に推進しています。また、自社内のコンテンツ制作チームも急速に規模を拡大しており、自社でのコンテンツ制作と外部クリエイターとの連携の両面で、強固な基盤を築けていると感じています。

また、ブランドによっては、ライブコマース経由での売上が大きく伸びています。そのため、ライブコマースに特化した会社を完全子会社化し、スタジオの数も各国で増やすなど、ライブコマースの将来性を見据えた基盤づくりを進めているところです。



🔵髙倉:グローバルでの取り組みの中で、TikTok Shopを活用した具体的な成功事例や注目ポイントがあれば、その課題や成果もあわせて教えてください。



🔴藤田:Canon Singapore様とは、コンパクトカメラ「PowerShot V10」をZ世代やクリエイター層に向けて訴求するキャンペーンをシンガポールを拠点に実施しました。当社のインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「AnyTag」を活用し、TikTokで活躍するクリエイターを起用。製品の軽さや画質の良さ、動画撮影のしやすさをリアルな使用感を通じて発信していただきました。

さらに、Canon Singapore様として初のTikTok LIVEの実施も支援しましたが、配信は約3,000人に視聴され、LIVE配信中に実際の購入にもつながりました。キャンペーン全体では74台の購入、約44,000シンガポールドルのGMVを記録し、東南アジアのマーケティングアワード「Marketing Excellence Awards」ではインフルエンサーマーケティング部門でブロンズを受賞するなど、高く評価されています。

インドネシアの大手食品・飲料メーカーIndofood CBP社様とは、ラマダン期のギフトセット「Ramadan Package」の認知拡大と売上強化を目的に、ライブコマース施策に取り組みました。国民的な人気を誇るインドネシア代表のサッカー選手をゲストに迎えたLIVE配信を実施し、当社は企画立案から運営、プロモーション、効果分析まで一貫して支援しました。結果、配信当日の売上は通常の約4.2倍、視聴者数も2,000人を超え、大きな反響につながりました。

日系ブランドでも、東南アジア各国へ展開を広げ、TikTok Shopを通じて大きな成果を上げているという事例があります。こうした先進的な取り組みは、同市場での成功を目指す他のブランドにとっても重要なヒントとなっています。




新たな購買体験を生むTikTok Shop、日本市場での活用が広げる可能性


🔵髙倉:日本市場において、TikTok Shopの活用がもたらすビジネス成長の可能性について、グローバルでの事例や市場の違いも踏まえてどのように見ていらっしゃいますか。


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髙倉 将平

TikTok for Business Japan, Global Business Solutions, Growth Agency Group, Senior Maneger




🔴藤田:当社から見ると、TikTok Shopは、東南アジアを中心に「発見から購入・決済まで」をひとつのアプリ内で完結できる新しい購買体験として定着しつつあると感じられます。もはや、日常の消費行動の一部になり始めているといっても過言ではないでしょう。

特にライブ配信を通じた購買の伸びと、ユーザーとのリアルタイムな接点によるエンゲージメントの向上には、成果を強く実感しています。

“TikTok売れ”という言葉が象徴するように、TikTokで商品を知り、それがきっかけで購入に至るという流れは、日本の消費者にも着実に根づき始めているため、TikTok Shopの登場によって、TikTokが「購買の起点」として広く活用されるフェーズに入ったと感じています。

物流面も含めてECが浸透している日本市場において、日常的に幅広い年代が利用するTikTokという動画プラットフォームとEC機能の融合は、間違いなく「発見」を強みとする新しいディスカバリーEコマースの成長を後押しすることでしょう。



🔵髙倉:TikTok Shopを活用した支援サービスを提供する立場から、日本市場では、どのようなカテゴリーや商品がTikTok Shopで伸びていくとお考えですか。また、新たなマーケット機会はどこに生まれると感じていらっしゃいますか。



🔴藤田:日本市場ではまだ、TikTok Shopは動画プラットフォームの印象が強いと感じています。そのため、まずは動画コンテンツと親和性の高い商材、特にコスメやアパレルといったカテゴリが、日本市場でも確実に成長していくと考えています。実際に、私たちが支援している企業の反応や初動を見ても、ここは間違いなく最初に伸びる領域になるでしょう。

東南アジアの事例では、家電や高価格帯の商品でも成果が出ており、先ほどのCanon Singapore様のように、製品の特長や使い方をストーリー性のあるコンテンツで視覚的にわかりやすく伝えることで、自然に購買につなげることができています。

そうした意味では、日本市場においても、商品の魅力と動画コンテンツの掛け合わせ次第で、新たなマーケットを生み出せる可能性は十分にあると考えています。




TikTok Shop活用の“勝ちパターン”を築く、データ活用と日本特有の購買行動への最適化


🔵髙倉:TikTok Shopを活用し、日本市場で新たな“勝ちパターン”を作るためには、どのようなことが重要だとお考えですか。



🔴藤田:これまでのデジタルマーケティングは、“バズるかどうか”“話題になるかどうか”が重視される傾向にありました。しかし、TikTok Shopのように購買まで完結できる仕組みが整った今、それだけでは不十分です。

例えば、当社の新機能「AnyLive」では、視聴数やコメント数、CVRなどの指標をリアルタイムで取得し、次の配信に向けた分析・改善を自動で行える機能を強化しています。これにより、どのスクリプトや演出が成果に寄与したのかを可視化・言語化し、属人的な運用からの脱却が可能になります。こうしたデータドリブンな取り組みが、TikTok Shopのようなプラットフォームを活用する上でも成果につながると考えています。また、

マーケティング領域ではコンテンツの質と量の強化、ライブコマースでの流入拡大、EC領域では競合との差別化や販売戦略の最適化といった、両軸での取り組みはますます重要になります。

AnyMindは、クリエイター連携、ライブ配信支援、物流、広告、分析までを一貫して支援できる体制を整えていますので、これらの強みを活かし、企業の皆さまと共に日本市場に適した“勝ちパターン”を築いていきたいと考えています。



🔵髙倉:藤田さんはアジア各国と日本市場の両方で企業の支援をされていますが、市場ごとに購買の傾向や地域性にどのような違いを感じていらっしゃいますか。

また、日本市場だからこそ意識すべきポイントや、グローバルでの成功パターンがそのまま通用しにくいと感じる点があればお聞かせください。



🔴藤田:TikTokに限らず、日本市場では購買の意思決定までに時間がかかり、必要とされる情報量も東南アジアと比べて格段に多いと感じています。東南アジアではシンプルな動画で商品の魅力が伝われば、すぐに購入に至るケースが多いのに対し、日本では「詳細を見てみよう」「レビューサイトを確認しよう」「友人の意見を聞こう」と、いくつかのクッションを挟んで慎重に検討する傾向があります。



🔵髙倉:確かに、日本の購買行動の特徴として、レビューサイトを確認したり、第三者の推奨を参考にしたり、慎重に情報を集めてから購入を決める方が多いと感じますね。



🔴藤田:だからこそ、TikTok Shopのように「発見」から「購買」までをシームレスに完結できるプラットフォームは、日本市場においても大きな可能性があると考えています。意思決定の時間が短縮されつつあるものの、日本では依然として慎重な購買傾向があり、文字情報を多く含む静止画コンテンツが他プラットフォームで多く見られるのもその表れだと感じています。

そのため日本市場では、情報量が豊富で信頼性のあるコンテンツや、タッチポイントを一箇所ではなく複数箇所に設置すること。ライブコマースでは疑問を解消し、商品の魅力を丁寧に伝えられる、説得力のある配信が不可欠だと考えています。

このように、日本市場に合ったコンテンツ設計を進めることが、マーケットを切り拓いていく上では重要です。




「発見」と「購買」との壁を超え、新たな市場を創るTikTok Shop活用の可能性とAnyMindの展望


🔵髙倉:TikTok Shopは、今後、企業のビジネス成長にどのような役割を果たしていくとお考えですか。また、TikTok Shopの優位性や新たなマーケット創出の可能性についても御社から見てのご感想をお聞かせください。



🔴藤田:TikTok Shopは、企業にとって「発見と購買の間にあった壁を取り払う存在」になると考えています。これまでは、動画プラットフォームで認知を獲得した後、別のECサイトやリアル店舗に誘導する必要がありましたが、TikTok Shopを活用すれば、ユーザーが“見ていいなと思った瞬間”にそのまま購入まで完結できます。これはユーザーにとって自然でスムーズな体験であり、企業側にとってもコンテンツ設計やクリエイター活用が直接ビジネス成果につながるという点で、非常に大きな価値があります。

また、TikTok Shopは単なるECチャネルではなく、新たなマーケットや需要を生み出す起点にもなり得ると考えています。例えば、まだ知られていなかった商品がライブ配信やショート動画を通じて話題になり、予想外の層に支持され、新たな顧客層が開拓されるケースも十分に起こり得ます。

さらに、TikTok Shopは視聴データ・購買データ・配信コンテンツがすべて連動している点が大きな強みです。私たちもAnyTag、AnyX、AnyLiveといった自社開発のプラットフォームを通じ、データを活用した最適な販売導線やコンテンツ戦略の設計・運用を支援しています。

日本市場では、ECと動画プラットフォームが完全に融合したEコマースプラットフォームの成功事例はまだ多くありません。TikTokは今、人々が最も時間を使うプラットフォームの一つになりつつありますが、購買行動との結びつきはまだ発展途上だと思います。だからこそ、TikTok Shopによって、発見・興味・購買が一気通貫する新たな消費行動が生まれ、企業のマーケティングやEC戦略そのものも変わっていく可能性があると考えています。TikTok Shopは、単なる販売チャネルを超え、ブランドづくりや顧客体験の設計、ビジネス成長の加速に貢献する戦略的な存在になると確信しています。



🔵髙倉:今後、TikTok for Businessとの連携において期待されていることがあればお聞かせください。また、求める具体的なサポートや、共創していきたい新しい価値やマーケットの可能性についてもぜひお話しください。



🔴藤田:これまで東南アジアを中心に、TikTok for Businessの皆さまと連携し、多くの企業の成長をサポートしてきました。今後は日本市場でも、より深いパートナーシップのもとで「成功事例の共創」を進めていけることを楽しみにしています。

特に、日本企業が安心して踏み出せるよう、スピード感を持って市場をけん引する成功事例を生み出すことが大事だと考えています。

具体的には、TikTok Shopの活用価値をわかりやすく伝えるため、業界別・目的別のベストプラクティスの発信や、ライブコマース、広告、クリエイター活用を組み合わせた複合的な支援モデルの確立を、ぜひ一緒に取り組んでいけたらと思います。あわせて、日本市場特有の慎重な購買行動を踏まえた、信頼を得るクリエイティブやコミュニケーション設計についても、対話を重ねながら深掘りしていきたいです。

また、TikTok Shopは単なる販売チャネルにとどまらず、新たなクリエイティブ職やライフスタイルを実現する機会を生む存在になると感じています。TikTokを通じて新しい収入源を得たり、より自由な働き方を叶えたりするクリエイターが増えていくことにも大きな期待を寄せています。AnyMindは、企業とクリエイターの双方の可能性を広げるパートナーとして、TikTok for Businessの皆さまと共に、ポジティブな未来を切り拓いていきたいと考えています。



🔵髙倉:AnyMindさんのように、ソーシャルコマースの領域で海外の豊富な実績を持ち、公式アカウントの運用やクリエイターとの協業基盤を自社で抱えている企業は、日本ではまだそれほど多くはないと感じます。だからこそ、日本市場においても、まずは先行事例を共に生み出し、マーケットのパイオニアとして市場をけん引していただけることを期待しています。

そのためには、実証的な取り組みに協力いただける企業様と組んで、成功事例をいち早く形にしていくことが何より重要だと考えています。

AnyMindさんには、海外の事例や知見を活かし、Eコマースと動画プラットフォームが一体になった、「ディスカバリーEコマース」を提供するTikTok Shopが目指す“新しい購買体験の拡大”のために、ぜひこれまでの知見を活かしていただけたらと思っています。今後もぜひ、マーケットの仮説検証を共に進め、新たなビジネスの可能性を切り拓いていきましょう。