TikTok Business Messaging API搭載「FanSpot byGMO for TikTok」、GMO NIKKOが語る開発背景と成功事例

8月 08, 2025
TikTok Business Messaging API搭載「FanSpot byGMO for TikTok」、GMO NIKKOが語る開発背景と成功事例

TikTok Business Messaging API※1による「TikTok Instant Win」を搭載した「FanSpot byGMO for TikTok」。

TikTok内で完結するシームレスなインスタントウィンキャンペーンを実現するソリューションとして、さまざまな業界での導入が進んでいます。


今回は、「FanSpot byGMO for TikTok」の開発・提供を担うGMO NIKKO株式会社の加藤氏にインタビュー。ソリューション開発の背景から活用事例、さらにTikTok Shopとの連携も見据えた今後の展望まで、TikTok for Business Japanの髙倉とともに語っていただきました。


※1 TikTok for Businessが提供する、外部サービス経由でダイレクトメッセージの送受信を可能にするアプリケーションやサービスを構築するためのAPI。



TikTok Business Messaging API搭載「FanSpot byGMO for TikTok」、GMO NIKKOが語る開発背景と成功事例


🔵TikTok for Business Japan 髙倉(以下、髙倉):GMO NIKKO株式会社の主な事業内容、またTikTok関連事業における具体的な取り組み体制についてお聞かせください。



🔴GMO NIKKO株式会社 加藤氏(以下、加藤):弊社は、デジタルを中心とした広告代理店として、総合的なマーケティング支援を提供しています。事業領域は多岐に渡り、デジタルマーケティング、アドテクノロジー、メディア、パートナーセールス、ツール・ソリューション、アプリマーケティングと幅広い分野をカバーしています。

近年では、AIの活用を積極的に進めながら、新たなマーケティングの可能性を拓く多様な事業を展開しています。


その中でも、TikTokをはじめとする縦型ショート動画に特化した「SMG(Short Movie Group)」では、TikTok広告運用、オーガニックアカウントの運用支援、縦型ショート動画の企画・制作、TikTokクリエイターのアサインなど、TikTok関連業務を包括的に支援しています。

SMGは現在30〜40名体制で、その半数以上がTikTokネイティブ世代のクリエイター。日常的にTikTokを視聴しているような感度の高いメンバーが、企画・撮影・編集まで一貫して担当しています。

その他にもディレクター、デザイナー、広告配信のプランナーなどの専門的な人材が在籍しており、広告運用から動画制作までを一気通貫で支援する体制が整っています。

TikTokを熟知したメンバーによる戦略設計と、ネイティブな感覚を持つクリエイター陣との共創によって、他にはない“成果につながるショート動画施策”を多数生み出しています。



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加藤 暁雄 氏

GMO NIKKO株式会社 ブランド戦略部 / ショートムービーグループ 責任者

2017年にGMO NIKKO株式会社へ新卒入社。営業として有形・無形を問わず幅広い業種のクライアントを担当し、2019年より営業マネジメントも兼任。2020年にクリエイティブプランナーとしてのキャリアをスタートさせ、2021年にはGMO社内アワードでクリエイティブ部門金賞を受賞。2023年よりブランド戦略部マネージャーとして営業・企画・マネジメントの全領域を統括。個人ではフォロワー2.3万人を持つTikTokクリエイターとしても活動し、現在は縦型ショート動画に特化したSMG(Short Movie Group)の責任者を務めている。




シームレスなユーザー体験を実現、「FanSpot byGMO for TikTok」開発の背景


🔵髙倉:TikTok Business Messaging APIによる「TikTok Instant Win」を搭載した「FanSpot byGMO for TikTok」をリリースされていますが、開発に至った背景や狙いについて教えてください。



🔴加藤:TikTokは、ショート動画プラットフォームとして世界中から支持を集めており、ユーザーのエンゲージメントも非常に高いことから、企業によるプロモーション活用も年々増加しています。

一方、応募後すぐに抽選結果がわかる「インスタントウィンキャンペーン」は、参加ハードルの低さと即時性からデジタルプラットフォームでは広く活用されている機能です。しかし、TikTokではBusiness Messaging APIが未連携だったため、抽選結果を外部サイトで確認する必要があり、その煩雑さが参加率の障壁となっていました。


こうした課題を解決すべく、GMO UniteXからTikTok for BusinessにAPIの開放を打診し、開発プロセスを経て、2024年10月、TikTok Instant Winを搭載した「FanSpot byGMO for TikTok」を開発し、GMO NIKKOがお客様への提供をしております。

本サービスは、TikTokアプリ内で完結するシームレスな参加体験を提供することで、ユーザーのエンゲージメント向上と参加者の獲得効率の最大化を両立しています。



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「FanSpot byGMO」の仕組み




成果につながるキャンペーン設計、「FanSpot byGMO for TikTok」が生む認知と送客


🔵髙倉:「FanSpot byGMO for TikTok」は、クライアントのどのような課題を解決し、どのような成果を生み出していますか?



🔴加藤:かつてはテレビCMでリーチできていた若年層が、今では届きづらくなってきており、エンゲージメントの低下を課題とするクライアントが増えています。他のプラットフォームでもキャンペーンを実施されていますが、「若年層にリーチできる新しいアプローチが欲しい」「既存のキャンペーンにマンネリを感じている」といった声が寄せられるようになっていました。

TikTokをマーケティング施策に取り入れる企業は年々増加していますが、その一方で「思うように再生数が伸びない」「フォロワー獲得に苦戦している」といった課題に直面するケースも見受けられます。その中で、成果につなげるノウハウや再現性のある取り組みへのニーズが高まっています。

こうした背景のもと注目されているのが、「FanSpot byGMO for TikTok」によるインスタントウィンキャンペーンです。一定の広告投下と組み合わせることで、ユーザーの参加意欲やエンゲージメントを高め、安定した成果につながりやすい点が、導入企業から高く評価されています。実際に、食品・飲料メーカーをはじめとする幅広い業界で導入が進んでいます。


例えば、新商品発売のタイミングに合わせて、認知拡大と同時に「発売当日に商品が手元に届く」というキャンペーンを実施しました。話題化とサンプリングを一体化させることで、多くのユーザーにインパクトを与え、高い評価をいただいています。

また、使用方法が直感的に伝わりづらい商材では、TikTok動画で使用シーンを具体的に見せることで、「こんなふうに使うのか!」という気づきを与え、商品理解の促進と購買意欲の喚起につながったという声も届いています。TikTokとの親和性の高さが成果に直結した好例といえるでしょう。

このように、商品のブランディングや認知獲得だけでなく、リアル店舗への来店促進や施設利用の活性化にも活用が広がっています。例えば、無料クーポンをきっかけに来店したユーザーが、他の商品を“ついで買い”し、売上が向上した事例も報告されています。


インスタントウィンキャンペーンにおける広告配信では、エンゲージメントが高まりやすいタイミングやユーザー属性を踏まえ、最適化ポイントを丁寧に設計しています。 クリエイティブは、「キャンペーンであること」を明確に伝えながらも、いかにも広告的な表現にならないよう、ユーザーのタイムラインに自然に馴染む工夫を凝らしています。

さらに、インセンティブも「単なる景品」ではなく、「ブランド体験として意味のある内容」にすることを重視。この設計が、高い参加率や自然な二次拡散にもつながっていると感じています。




多様な業種で成果を生む、TikTokインスタントウィンの実効性と拡張性


🔵髙倉:幅広い業界で導入されているとのことですが、インパクトのある事例やユニークな取り組みがあれば教えてください。



🔴加藤:ある食品メーカーから、「サンプリングだけでなく、ユーザーのリアルな声を可視化したい」という要望があったため、クライアントのTikTokアカウントをユーザーに見てもらい、「どの投稿が響いたか」「どこが伝わりづらかったか」といったフィードバックを収集する、意識調査型のキャンペーンを実施しました。「テンポの速い編集が好まれる」「情報が詰まりすぎていて伝わりにくい」など、具体的かつ実践的な意見が数多く寄せられ、今後のクリエイティブ改善に役立つ貴重な示唆を得ることができました。


アパレル系の企業でも非常にユニークな活用をされています。例えば、アパレルブランドのコラボキャンペーンにおいて、「次のコラボ先」をユーザー投票で決めるという施策を展開しました。コメント欄には何千件という意見が集まり、私たちがテキストマイニングで集計・分析することで、ユーザーのリアルなニーズを可視化できました。


また、金融業界でも成果が出ています。あるクレジットカード会社では、通常のキャンペーン動画よりもTikTokクリエイターを起用した動画の方がエンゲージメントが高く、インスタントウィンの参加率も大きく向上しました。検索数や流入が大きく伸び、さらにはオンラインでのカード発行にも結びついたと伺っています。


このように、インスタントウィンキャンペーンは、ブランド認知だけでなく、実際の「獲得」につなげる力も持っています。TikTokとの掛け合わせによって、ここまでの爆発力が生まれるのかと、私自身も施策を通じて実感しています。



🔵髙倉:「FanSpot byGMO for TikTok」が多くの成功事例を生み出しているのは、TikTokの特性と非常に相性が良いからだと感じています。動画によってブランドの世界観や商品の使用感を直感的に伝えることができ、理解や共感が深まった状態でキャンペーンに参加してもらえる。その流れが、高いエンゲージメントを生み、キャンペーン全体の成果に直結しているのだと思います。


特に興味深いのが、「フォロー」の質的な変化です。多くのキャンペーンでは、条件達成のためだけの“形式的なフォロー”が起きがちですが、TikTokインスタントウィンでは、ユーザーがコンテンツに興味を持った上で、自発的にフォローしている様子がデータからも読み取れました。つまり、フォローの“量”だけでなく“質”が伴っているということです。

そのため、キャンペーン終了後もフォロワーの離脱が非常に少なく、1〜2割にとどまったケースもあります。これは、キャンペーンをきっかけに“継続的な接点”が生まれたことを意味し、企業にとっては中長期的な資産につながる非常に大きな成果だと捉えています。



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髙倉 将平

TikTok for Business Japan, Global Business Solutions, Growth Agency Group, Senior Manager



TikTok Shopとインスタントウィンの掛け合わせで、成果を一気に加速


🔵髙倉:TikTok Shopが日本市場でリリースされたことで、公式アカウントのフォロワー増加やエンゲージメント向上に投資するクライアントが増えることが予想されます。これを踏まえ、「FanSpot byGMO for TikTok」をどのように活用・展開していきたいと考えていますか?



🔴加藤:弊社グループでもすでにTikTok Shopを導入しており、アカウントの開設や管理画面の操作など、実際に運用する中で現場からさまざまなフィードバックが寄せられています。例えば、「広告を活用していないため、リーチが広がりにくい」といった声もあり、動画視聴からTikTok Shopへのスムーズな導線づくりの重要性を実感しています。

その点において、「FanSpot byGMO for TikTok」で実施できるインスタントウィンキャンペーンは、TikTokアカウントのフォロワー獲得に非常に適した施策だと考えています。さらに、キャンペーンと連動させた動画を「Spark Ads」で配信することで、投稿された動画に高いエンゲージメントが集まれば、他の投稿にも良い影響を及ぼすため、アカウント全体の底上げにもつながっていくのではないかと期待しています。


実際にTikTok Shopを導入された企業様の中には、「カートへの導線は確保できているものの、動画のリーチや視聴数に課題を感じている」「アカウントの影響力が育ちきっておらず、購買への動線がやや弱い」といった声もいただいています。こうした中で、オーガニックアカウントのフォロワーやエンゲージメントを着実に育てていくことに加え、広告を活用して接点を拡張する視点が、より一層求められていると感じています。

そういった意味でも、「FanSpot byGMO for TikTok」は、アカウントの成長とエンゲージメント向上の両方を支援できる施策として、TikTok Shopでショップを立ち上げたばかりの企業様にとっても非常に親和性の高いソリューションだと実感しています。


弊社ではTikTok Shopの普及を見据え、今後はより一層、連動性の高いプラン設計をはじめ、金額面・機能面での最適化や、新たなニーズに対応するアップデートの実施など、柔軟な改善と検証を重ねていく方針です。その一環として、TikTok Shopに特化した新たなパッケージプランのリリースも予定しており、企業様の販促活動にさらに貢献できるよう努めてまいります。



🔵髙倉:TikTok for Businessに対して期待していることや、今後一緒に取り組んでいきたいことがあれば教えてください。



🔴加藤:「FanSpot byGMO for TikTok」の開発にあたっては、TikTok for Businessの皆さんに多大なお力添えをいただき、改めて感謝申し上げます。週1回のペースで密にコミュニケーションを取らせていただき、非常に心強く感じています。


今後についてですが、やはり企業のオーガニックアカウントの重要性はますます高まっていくと考えています。もちろん広告配信も非常に重要な手段のひとつですが、それに加えて、「企業のTikTokアカウントをいかに成長させていくか」という視点が、これまで以上に問われるフェーズに入っていると実感しています。私たちも日々、この課題に向き合っており、そうした点においても、TikTok for Businessの皆さんと連携を深めていけたら嬉しく思います。

現在も、レポーティングAPIの提供やクリエイター連携など、さまざまな形でご支援いただいていますが、今後はさらにオーガニックアカウントに特化したサポートを強化していただけるとありがたいです。


また、弊社でもトレンド情報を収集・分析するためのデータベースを構築していますが、TikTok for Businessさんが保有されているトレンドやクリエイター関連の情報と連携できれば、より精度の高い分析と提案が可能になるのではと感じています。

企業アカウントが継続的に成果を上げていくためには、広告とオーガニックの両輪での戦略設計が不可欠です。今後も、TikTok for Businessの皆さんと一緒に、クライアントやユーザーにとって新しい価値を共創していければと考えています。



🔵髙倉:今年2月に「FanSpot byGMO for TikTok」をリリースして以降、3月にはGMO NIKKOさんとと合同でイベントを行い、5月にはマーケティングアジェンダ2025でマーケットの啓発活動を協働で実施していますが、TikTok Shopの日本でのローンチ後、更にこのソリューションが重要になっていると実感しています。

TikTok Shopでは「公式アカウント=店舗」となるため、日々アカウント運用をして地道にフォロワーを伸ばすことも重要なのですが、“短期的にフォロワーを増大させる”というニーズも強くなってくるかと思います。


そのニーズに応えるべく「FanSpot byGMO for TikTok」を活用して“TikTokインスタントウィン”というキャンペーンを実施することは最適なソリューションですので、すでに多数の実績があるGMO NIKKO様がこのマーケットをリードしていただけることをとても期待しております。

そして、加藤さんご自身がTikTokの現役クリエイターとしてアカウント運用を行いながら、その知見を活かしてソリューションの提案と実行を行い、組織をリードされている点は貴社の大きな強みだと思います。