動画の力で理解深化を実現 認知と獲得をつなぐアプローチにも期待

1月 26, 2026

エンタープライズのマーケティング戦略 第2回 NTTドコモ ※このインタビューは日経ビジネスにて2026年1月23日に広告掲載したものです。

動画の力で理解深化を実現 認知と獲得をつなぐアプローチにも期待

国内月間アクティブユーザーが4200万を超え*1、ビジネスインパクトが増大するTikTok。スマートフォン市場が成熟し、通信事業各社が顧客接点の増加と付加価値の提供を目指すなか、新たなユーザーと出会うべくTikTokを幅広く活用しているのが、NTTドコモだ。

日本のトップ企業が、どのような戦略のもとに消費者コミュニケーションを行っているのかを検証するシリーズ企画の第2回では、NTTドコモ 執行役員 コンシューマサービスカンパニー 統括長の伊藤邦宏氏に話を聞いた。

(聞き手:菊池隆裕=日経BP総合研究所 上席研究員 )



動画の力で理解深化を実現 認知と獲得をつなぐアプローチにも期待


1999年にNTTドコモが「iモード」を開始して以降、データ通信を軸として、通信とエンタメ、金融サービスなどとの連携が始まった。それから四半世紀、端末は単なる通信手段ではなくなり、スマートフォンは「生活のプラットフォーム」となっている。

一方、事業者間の競争激化を背景に、各社とも通信外収入を模索、新たなビジネスモデルの構築を急いでいる。

そうしたなか、念願の銀行業への進出、メディア連携、グループのシナジー強化など活発な動きで次の時代を見据えるのがNTTドコモ。企業ブランドとしての「信頼感」「安心感」を打ち出しながら、新しい魅力を発信して、強みであるミドル層に加え、若年層へのリーチ拡大を目指している。




⚫️サービスや商品ラインナップが豊富で、消費者コミュニケーションは細分化されると思います。どのような体制でプロモーションを行っていますか? また、いわゆる旧4大マスメディアと、インターネットやデジタルプラットフォームなどの予算配分はここ数年でどのように変化していますか。



🔵伊藤邦宏(以下、伊藤):消費者コミュニケーションは、サービスや商品ごとのサービス主管部とマーケティング・販売を実施する部門があり、連携して実施しています。

予算面では、近年インターネットやデジタルプラットフォームの割合が大きくなっている傾向はあります。ただし、テレビなどのマスメディアも今まで通り、認知を高めるために重要なメディアです。テレビでしかリーチできないユーザー層も一定いるため、完全に移行するというわけではなく、戦略によって使い分けをしています。サービスによってターゲットが異なるため、サービス特性を踏まえてテレビCM、WEB、デジタルプラットフォームの比重を変えながらコミュニケーション方法を試しています。



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NTTドコモ 執行役員 コンシューマサービスカンパニー 統括長 伊藤邦宏氏




2025年にTikTokが実施した調査*2によると、TikTokを活用している企業のマーケティング担当者の84.5%が「今後も引き続きTikTokを利用したい」と考えている。その理由のトップが「若年層へのアプローチのしやすさ(52.9%) 」だが、「30代~40代へのアプローチのしやすさ」を挙げた企業も44.3%にのぼっており、TikTokが幅広い年齢層にリーチできるプラットフォームとして評価されていることがうかがえる。



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⚫️TikTokをどのようなプラットフォームと捉えていますか? また、活用しようと思った最初のきっかけを教えてください。



🔵伊藤:元々は若年層のイメージが強かったのですが、40代以上の視聴も増加するなどユーザー層が広がっていることを知りました。実際に視聴すると、エンタメを楽しむようなコンテンツもありますが、情報を発信する場としても使われていると感じ、サービス理解を深めてもらえる場として活用できると考えました。



⚫️TikTokは、マーケティング全体においてどのような位置づけですか。



🔵伊藤:幅広い世代に有効で、特に若年層ターゲットに対しての認知に重要なプラットフォームだと認識しています。TikTokは、サクサクと縦にスワイプして短い動画コンテンツを視聴する、縦型短尺動画の視聴態度の代表的なプラットフォームであり、その特性にあわせた短尺動画コンテンツを制作しています。特に、リアルに近い形でサービス理解をしてもらうことができる点を意識してクリエイティブを制作しています。

また当初は認知に強いイメージがありましたが、刈り取り目的でも想定以上の効果が出ており、活用が広がっている状況です。



⚫️2023年頃からTikTokを活用し始めたと聞いています。当時としては、チャレンジングな印象もあります。TikTokの活用について社内で懐疑的な声はありませんでしたか?



🔵伊藤:実施する際の障壁などは特にありませんでしたね。初めて出稿した際には、周囲から『ドコモもTikTokに出すのですね』という驚きの声はありました。実際、効果が十分にあるので、出稿を継続し、配信サービスも拡大しています。



⚫️たしかに意外性がありますね。具体的にどのような効果を感じていますか?



🔵伊藤:大きく3点あります。1点目は、TikTokは膨大なユーザーがいるプラットフォームなので、配信量の担保がある。狙いたいユーザーを含め複数にリーチできました。2点目は、短尺動画は情報量が多いので、バナー広告では得られないユーザー理解が深まることです。3点目は、クリエイティブの差し替えについて。週次など、これまで対応していた以上の周期で実施しないとユーザーに飽きられてしまう傾向にあるということが明確になりました。



⚫️成功した要因については、どのように考えていますか。



🔵伊藤:まず我々の部署は、横断的に見るマーケティング専門組織であるため、TikTokにおいての効果的なノウハウが集約され、弊社の多くのサービスにも活用を展開することができていると考えています。また、TikTok側からご提案いただいたTikTok Creative Exchange(TTCX*3)も活用し、クリエイティブの内容について網羅的に実施できたことも大きかったと感じています。



⚫️今後どのようにTikTokを活用していきたいと思いますか?



🔵伊藤:認知と刈り取りをつなぐミドルファネルへのアプローチとしての活用のフレームも作れると、より幅が広がると感じています。ターゲットについても幅広い世代に広がっていると感じるため、TikTokを活用して若年層以外へのリーチも強化していきたいです。



⚫️たしかにTikTokは、刈り取りを増やすために不可欠な「興味・関心」層の拡大に対する効果でも注目されていますね。最後にTikTokの活用に二の足を踏んでいる経営者や担当者に対して、アドバイスをお願いします。



🔵伊藤:TikTokはユーザーの認知・態度変容のステップ、ファネルの動き、ユーザージャーニーが大きく変わる可能性があるタッチポイントです。実際、広告において大きな変化がみられたため、我々はTikTokでのマーケティングに取り組んでいます。また、他社に先駆けて早めに活用することで広告効果が大きく得られるものと考えています。ターゲットセグメントを明確にした上で活用するのが良いと思います。




*1:TikTok調べ。ユーザー数はTikTokとTikTok Liteの合計(重複を除く)

*2:「TikTok Socio-Economic Impact Report〜日本における経済的・社会的影響〜」(2025年6月発行)

*3:クリエイティブ・パートナーとのマッチングから、高品質なクリエイティブ制作、広告運用までクリエイティブに関するすべてを一貫してサポートするサービス




「(短尺)動画が世の中を動かす」力を持つことを実感しています。 TikTokは認知・思考・行動変容に直結するプラットフォームで、旅行や料理などを疑似体験し、実際に行動を引き起こす、圧倒的な力があります。日本国内の月間利用者数は4,200万人を超え*1、そうしたTikTokの影響力は今、若年層以外にも広がっています。ミドル・高年齢層の認知・思考・行動変容を狙う時、それらの層にアドバンテージがあるNTTドコモのチャネルとの組み合わせによって、高い相乗効果が期待できると思います。実際にNTTドコモがその点を理解し、若年層に限定しない幅広い層をターゲットとしたTikTok活用を考えていることが印象的でした。 TikTokは、動画のプロとして、顧客の「こうしたい」という要求に適切かつ具体的な解決策を提供できる点が頼もしいと思います。こうした自社の特性・特徴に応じたサービス活用、そしてパートナーシップは、どの企業にも参考になるのではないでしょうか。

<インタビューを終えて>
日経BP総合研究所 上席研究員 菊池隆裕

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日経BP総合研究所 上席研究員 菊池隆裕