TikTokとインテージによる共同分析レポート

生活者の購買行動が多様化する中で、広告の成果を「オンライン上の反応」だけで判断することが難しくなっています。オンラインで生まれた興味・関心が、どれだけ実店舗購買に結びついているのかを把握することが、ビジネス成果の正しい評価に欠かせません。
TikTok for Businessでは、購買意欲の高いユーザーを可視化し、成果につながる意思決定を支援する測定・分析ツール「TikTok Market Scope(TTMS)」の提供を開始しています。
今回、小売店パネルデータ「SRI+®」を保有する株式会社インテージと共同で検証を実施し、TTMSが可視化する“検討オーディエンス”が、実店舗購買というビジネス成果とどのように関係しているのかを明らかにしました。
TikTok for Businessは2025年より、購買意欲の高いユーザーを可視化し、成果につながる意思決定を支援する測定・分析ツール「TikTok Market Scope(以下、TTMS)」の提供を開始しました。
すでに多くの広告主の皆さまにご活用いただいているTTMSでは、購買検討段階にあるユーザー、すなわち“検討オーディエンス”の規模をリアルタイムで把握・モニタリングできます。
一方で、特に実店舗購買の比率が高いFMCG(生活消費財)領域の広告主様からは、しばしば次のような質問をいただきます。
「TTMSで可視化される“検討オーディエンス”は、ビジネス成果である実店舗購買と関係しているのか?」
この問いは極めて自然です。というのも、日本のFMCG市場は、世界でも珍しいほど実店舗購買への依存度が高い市場だからです。
経済産業省の調査※によると、食品・飲料カテゴリにおけるEC化率は4.5%、美容品・日用品でも 8.8%程度にとどまり、FMCG購買の90%以上がコンビニ・スーパー・ドラッグストアなどの実店舗で発生しているのが現状です 。
※経済産業省「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」より
つまり、デジタル広告の効果を語る上では「オンライン行動」だけでは不十分であり、“実店舗の売上にどうつながっているのか” を理解しなければ、広告の価値を正しく評価できません。
この背景を踏まえ、私たちはTTMSが可視化する検討オーディエンスが、実店舗の売上(POS)とどれだけ関係しているのかを検証しました。
検証には、業界デファクト・スタンダードである小売店パネルデータ「SRI+」を持つ株式会社インテージと共同で取り組みました。
その結果、検討オーディエンスの推移がブランドの店頭売上と強く連動しており、店頭売上の先行指標として機能していることが明らかになりました。
まず、約2年間の各種時系列データをもとに共分散構造分析(SEM)で広告量とオーディエンスと店頭売上の構造解明を実施したところ、20ブランド中17ブランドで、検討オーディエンスの増減が売上の増減と統計的に関連したことが判明しました。
関連性の強さを比較するために算出した標準化パス係数は、飲料・食品カテゴリー(n=9ブランド)で平均0.28・最大0.52と高いスコアを示し、美容・日用品カテゴリー(n=8ブランド)では平均0.50・最大0.79とさらにスコアが上昇します。なお全てのケースでパス係数のp値は0.10を下回っています。
標準化パス係数は、一般に0.1で“小”、0.3前後で“中程度”、0.5以上で“比較的強い”効果と評価されます。リアルな売上は多因子で決まるにもかかわらず、検討オーディエンスが中〜強い効果を示した点は、検討オーディエンスが 「売上変動の一部を安定的に説明する指標」であることを裏付けています。
検討オーディエンスの増減が店頭売上とどう関わるかを深く理解するには、その時間差を捉えることも大切です。そこで今回の分析では、VAR(ベクトル自己回帰)によるインパルス応答分析を行いました。
その結果、20ブランドのうち14ブランドで、検討オーディエンスの増加から6週間以内に店頭売上が反応し始める傾向が確認されました。なかでも飲料・食品カテゴリーでは0〜3週間以内に店頭売上が反応するブランドが多い一方で、美容・日用品ブランドでは4〜6週間の時間差が見られ、一部のブランドでは12週後の売上波及が確認されました。
これは飲料・食品は比較的購買頻度が高いことに対して、美容・日用品はリピートサイクルが長いというカテゴリ特性とも一致しており、消費者行動の実態と整合した結果と言えます。
今回の共同分析で得られた最大の示唆は、検討オーディエンスは、その週の売上だけでなく、未来数週間の売上を予測する “先行指標” として機能しているという点です。
マーケティングの現場ではつい短期売上だけに目がいきがちですが、実際の購買行動はもっとゆっくり進みます。検討オーディエンスを伸ばすことは、中期的な売上づくりにつながる「投資」として大きな価値を持つことが、今回の分析から明確に示されました。
TikTokとインテージは、今回の知見を基盤とした共同ソリューションを2026年より提供予定です。
また、TikTokでは MMM(Marketing Mix Modeling)導入ブランドのご支援も行なっています。
本記事を読んで興味を持たれた広告主様・広告代理店様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。自社ブランドの「検討」から「売上」への流れが、きっと新たに見えてくるはずです。